『虫も殺さない様な善人面して』

「結構えげつねえ事するじゃねえの」 屍を踏み越えながら、隻眼の男は不敵に嗤う。 「もっと厳つい野郎を想像してたぜ。 ”上官殺し”さんよ」 不名誉な二つ名を呼ばれ、笑みの先に対峙した優男は黙って両の眼を僅かに眇めた― 《黙 … 続きを読む 『虫も殺さない様な善人面して』