
やめといた方が良いんじゃない?
だって絶対犬派じゃん、彼。
「はあ?何よそれ」
あれ~今ので伝わんない?
結構いい例えだと思ったんだけどな…
まあ、いいや。
《ちなみに俺は、猫の方が好きだけどね》
#騎士失格の六人 #騎士失格の六人_sideDesperados #一次創作
SS『あなたは私のお気に入り』
「彼のなにが一体君をそうさせる?」
尋ねると「魂がね、違うのよ」と彼女は笑う。
「何色にも染まらない。真っ黒なのに、でもキラキラしてて、絶対に砕けない…黒いダイヤみたいな魂」
「ま、あんたのも、嫌いじゃないけど…全然違うのよモノも質もね。あんたのは、綺麗だけどすぐ砕けちゃう。砕けた欠片の切れ味は、悪くはないんだけどね。”Ossidiano”」
そう言って彼女は、俺の心臓あたりをとん、と突ついた。
ピンとこない説明だ。煙に巻かれたようで気に入らないが、深く聞いたところでどうせ彼女ははぐらかすのだろう。
「俺は安い石ころって事かい?」
「そうね、でも私のお気に入り」
そう言われてしまうともう何も言う気が無くなってしまう。
「だったらもうちょっと、手入れをして欲しいもんだけど」
『騎士失格の六人/あなたは私のお気に入り』
SS『気まぐれ猫』
「あいつも君ぐらい可愛げがあったらなぁ」
足元にすり寄る野良猫を撫でながら、ぽつりと呟く。
一度エサをやった以来、随分懐かれてしまったらしい。
可愛いもんだ。
「あいつって誰よ」
愛くるしい客人の仕草に目を細めていると、背後から突然声をかけられた。
いつの間に忍び寄ったんだか…本当に、猫みたいな奴だなと思う。
「びっくりさせないでくれよ」
まあ、別に本気で驚いちゃいないけど。
間違っても”君のことだよ”とは言わないぞ。
だから、顔を覗き込むのをやめてくれよ。
「…ふ~ん? ま、別にあんたが誰と遊ぼうが知ったこっちゃないけど~」
猫のように目を眇めまじまじとこちらを眺めた後、彼女はついと顔を背ける。
「なんか勘違いしてない?」
「何のことかしら?」
これ以上ないって程分かりやすい。
ああ、絶対勘違いしてる。面倒くさいなあ、もう。
大体自分だっていっつもふらふらしてるくせに、こういう時だけ妬きもち焼きなんだから。
どうせそれを言ったところで「あたしは良いの」って返ってくるんだろうけど。
「じゃあ、あいつって誰?」
「それは言えない」
「ほら見なさいよ!!」
自分で言うのは癪なんだ。気付いてくれよ。
余計な事ばっかり目ざとい癖に、なんでこういう時だけ鈍感なんだよ。
昼下がりの路地裏で、名もない野良猫が、興味なさげにみゃおと鳴いた。
『騎士失格の六人/気まぐれ猫』
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