
その瞳、一片の曇りなく。
その心、決して砕けず揺ぎ無し。
その剣、始祖にして至高。
何ものにも染まらず闇に在って尚輝く
“弔い風”と呼ばれしその男の名は―
【禍払い一族伝承口伝】
《真に受けんなよ。この手の話にゃ尾ひれ背びれが付きもんだ》
#騎士失格の六人 #一次創作
SS『独白~悪童たちの別れ道~』
「だからって、同情なんかするつもりもねえけどな」
だが一つ違えば同じ穴の狢であったという事実は、彼の心に刻まれる。
温かかったことだけは、はっきり覚えている母の記憶。
路地裏で冷たくなる、同じ年の頃の少女。
対した腕でもない癖に、ガキを相手に師匠面の変なじじい。
やることなす事一々気に障る、世間知らずのボンボン…
ガキの頃の記憶なんてこんなもんしか出てこないけど、アイツと俺が違うのはこんなもんの差なのだろう。
こんな程度の差なのだろう。
そして思考を「だからどうした」と、締めくくる。
「あいつはあいつ。俺は俺だ」
『騎士失格の六人/独白~悪童たちの別れ道~』
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